表裏

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沢山の人に迷惑と裏切りを重ねて 産まれてきちゃいけない命を生き長らえさせて 沢山の聞いちゃいけない事を聞いちゃった その事でみんなに不安と恐怖を与えた いけないんだよ… 「俺は……産まれた事が…罪…だから…っ」 小さな呟きは、誠にも山岸さんにも聞こえたみたいで 見開かれた山岸さんの目と、隣で聞こえた息を飲む音がした 「何てこと言うかなぁ…夜兎君は…。」 「……っ」 向けられた事の有る怒り それが山岸さんから伝わって来る 「何が理由か僕は知らないよ、話してくれてないからね。」 真っ直ぐと向けられる強い目… 今まで受けた怒りとは違う瞳… それが俺に向けられた 「でもね?君の隣に居る子は、君の事大切だから側に居るんじゃないの?」 突然振られた言葉に、俺は誠を見た 誠は一瞬戸惑ったけど優しく笑ってくれる 「僕は月兎君と出逢えて嬉しい、君が…夜兎君が居なければ逢えなかったじゃない。」 俺が居たから… 「月兎君は君で、君は月兎君…だから君が居てくれて僕は本当に嬉しいんだ。」  
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