表裏

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目を見開かせるのは今度は俺の番だった 会って間もない人なのに… なのにこんなにも 「わわっ!や、夜兎君?」 こんなにも嬉しい言葉をくれるなんて思わなくて だから俺はついその身体に顔を埋めた 落ち着く優しい人 「ありが…とっ」 再び涙が流れた為に拙い言葉を言うと あ…別の意味で泣かせちゃった なんて言うから、つい笑いが込み上げて来て 頬の骨格が上がってしまった 「さて、なら前言撤回してもらおうかなっ」 頭を撫でられて発せられた言葉に顔を上げて首を傾げる 「夜兎君が産まれちゃいけないなんて寂しい事、撤回してもらわなきゃ。」 さも当然だと言わんばかりの言葉に口を開けてしまう そんな事…言ってくれる人が居たんだ… 「あ…えっと…」 「ほら、言わなきゃデコピンだぞ。」 顔を覗かれ、まるで悪戯を思い付いた子供の様に笑っている そんな顔をされて、また自然と笑みを浮かべてしまう あぁ、本当に山岸さんは優しい人なんだって思ったら、当たり前の様に口が開く 「ごめんなさい。」 今までとは違うごめんなさいって言葉が出て来て とても不思議な出来事だって思った  
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