282人が本棚に入れています
本棚に追加
「少し…長くなります。」
そう前置きを置いてから話し始めた
「俺は言葉が解るか解らないかって頃、鳥類の声が聞こえて来る事に気付きました。」
まだ記憶が有るか無いかのギリギリの時だった
それを母に言った事を覚えていた
最初に聞いた言葉は“夜兎の父ちゃんが浮気してるよ”
「浮気なんて言葉知るはずも無くて、母に聞いてみたんです…“パパが浮気って何?”って、子供って怖いですよね…無知は…怖い。」
母はそれから俺に愛を注ぐ事はしなかった
理由が解らないまま食事もままならない事になってしまった
それから暫くして兄は高校生、弟は小学生の六年になった
俺は中学生になった時…
“兄さんは男が好き”
“母親は弟が好き”
“弟も母親が好き”
俺の知らない事は当たり前に伝えてくる
あいつ今何してる、そいつさっき何してた
名も知らない人の情報まで耳にして
俺は兄や弟は大切な家族で兄弟だと思ったから
だから俺が止めなきゃって…
「だから言ったんです、今が良くても後困るのは二人なんだと…」
でも当たり前に、弟は俺を殴った
最初のコメントを投稿しよう!