表裏

21/26
前へ
/295ページ
次へ
俺が考えつかない解決策をこんなに簡単に導いてくれる人なんて居ない…っ そう思ったら知らず知らずの内に入っていた肩の力が抜けた 「だからそんなに考え込まないで欲しいな、僕も君みたいな力が欲しい…きっとこの世にはそう思ってる人は少なくないんだから。」 「……っ」 そうだ… 俺にしか聞こえない言葉は 裏を返せば 俺だけが聞こえる言葉なんだ 「俺……考え過ぎて気付かなかった…俺もみんなと同じならってしか考えてなかった…」 この力で誰かを幸せに出来るかもしれないなんて事も 人の悩みが解決出来るかもしれないなんて事も… 俺は“前向きになる”って事が足りなかったんだ…… 「誰かを幸せに出来る力なんてそう無いですよね…」 「そうだよ、君はきっとその力を使って人を幸せに出来る。」 誰よりも苦しみと悲しみを知った君だから。 今までは無駄じゃなかった… 前向きに鳥達の声に耳を傾けてみようかな そんな風に思える日が来るなんて思ってなかった だからそう言われた事が凄く嬉しくて 俺は自然に笑っていた…  
/295ページ

最初のコメントを投稿しよう!

282人が本棚に入れています
本棚に追加