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「もう大丈夫だね、さっ!じゃあ帰ろうかっ!!」
すくっと立ち上がった山岸さんに自然と頷いた
もう迷惑かもしれないなんて思っていた
だからかな?
誠の悔しそうな顔に気付けなかった
「君…えっと…誠君だっけ?」
「あ…はい…。」
山岸さんに呼ばれた誠に顔を向けた
「君も暫くウチに来るかい?不安だろ?」
「………。」
その言葉に俺は首を傾げるけど
誠は気まずそうに顔を歪めて下を向いた
「部屋の数は有るから大丈夫だよ、親御さんから許しが出たら…だけどね。」
山岸さんの言葉で暫く沈黙が続いたけど
誠は顔を上げて力が有る瞳を真っ直ぐ山岸さんにぶつけた
「出なくても行くさ…夜兎は俺が護るっ」
「良い目だね、好きだよそーゆー目。」
山岸さんはニッコリと笑って誠の言葉に頷いた
「まこ…と…」
誠の言葉に驚いて声を掛ければ、優しい瞳で俺を見る
「絶対…もう二度と泣かせないから。」
トクリと静かに高鳴った鼓動を気にしながらも
俺は誠に笑って頷いた
「うん…ありがとう。」
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