感情

6/22
前へ
/295ページ
次へ
うずくまって痛みに耐えていた 背中に当たったのは辞書だった 誠は俺の肩を掴んで顔を覗き込んで心配している そんな誠に大丈夫だと伝える様に笑みを浮かべて見返すと 誠は眉を寄せて俺の背中に居る人物を睨み付けた 「夜兎に何をする…っ」 地を這う様な低い声を相手にぶつける 俺は本当に大丈夫だよ… 「邪魔なんだよ、何もかも…っ」 「……ごめ「謝るなっ!!」 誠は俺を抱き寄せる行動と言葉で遮った 「夜兎は何も悪くねぇんだ…」 「悪ぃに決まってんだろぉがよっ!!」 「何がだっ!!盗みに対して何も物的証拠無かっただろっ!!」 争わないで… 気が済むならいくらでも謝るから 望むなら土下座だってするよ サンドバックにだってなる だから誠を傷つけないで…っ 「存在がだっ!!」        存在…… 「テメェっ!!!!」 存在が悪いんだ… 俺の存在はみんなを苦しめて みんなを困らせて みんなを不幸にしてるなら 「存在が罪なら……」 俺は 俺は喜んでこの世から…… 「消えようか…?」  
/295ページ

最初のコメントを投稿しよう!

282人が本棚に入れています
本棚に追加