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~Makoto~
まるで生きる事を諦めた様な
だけど開放感に喜びを感じる笑顔と涙を浮かべて
夜兎は身体を外へと投げ出した
俺は夜兎の手を掴んだ
間一髪で支えられたが、気を失った夜兎は力無くぶら下がっている
夜兎の体重は軽いが、腕一本で支えるには辛い物が有った
《言う事聞かなきゃ傷付けるよ?》
あんな言葉なんか気にしてなければ
きっと今夜兎はこんなに追い込まれなかったのに
謝るのは俺なんだ夜兎…
「目を覚ませ夜兎っ!!」
俺はお前が好きなんだ…
だから護りたい、側に居たい
誰にも傷つけられない様に俺が護って
道なんか間違えたりしないでずっと側に居るから
「此処が辛いなら違う場所に一緒に行こうっ!!」
これ以上苦しまなくて済む場所に
これ以上泣かなくて済む場所に
それでも同じ事になるなら
絶対に離れずに護り続けるから
「護るからっ!!だからっ!!」
「橘君…っ」
冷や汗で手が滑り出した頃
俺の隣から違う腕が伸びて夜兎の手を掴んだ
軽くなる腕への負担
顔を向ければ、傍観を決め込んだクラスの一人だった
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