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藤崎裕樹
目立たない、眼鏡を掛けた男
「僕…僕は橘君が悪いか解らなくてずっと…ずっと力になれなかった…っ」
全員が敵なんて事無かったんだ…
周りに目を向ければ居たんだ、お前が悪くないって思ってる奴らが
「こんなに苦しんでたなんて知らなかった…ごめん…ごめんなっ!!」
そう叫ぶ藤崎は、必死に夜兎の身体を引き上げ様とした
それに便乗して俺も夜兎の身体を引き上げる
二人の男が一人の身体を引き上げる事なんて容易くて
開け放たれた窓から夜兎の身体を引き込んだ
気を失っていて、顔に擦り傷をおった夜兎は目を開けない
ずっと目を覚まさなかったらと焦る気持ちを抑えつつ
俺は夜兎を保健室に運ぶ為に立ち上がった
そんな時
「……ん…っ」
身じろぐ夜兎から声が漏れた
慌てて床へと身体を下ろし座らせる
「夜兎?!大丈夫「じゃねぇよボケ。」
目を開けた夜兎から聞こえたのは乱暴な言葉
夜兎…いや、月兎は立ち上がって俺を突き飛ばす
「夜兎を守った事は礼を言うがな…」
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