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~Tsukito~
自室の扉を閉めて力任せに鞄を壁に叩き付けてベッドへと身体を沈める
「…クソ…っ!!」
何でだよ
最悪だっ
だから早過ぎるって言ったんだ…っ
全部あの西浦が悪いんだ……
夜兎の名前を呼ぶから
まだ一段階しか終わってない計画を全部パァにして
夜兎を…
オレが夜兎を苦しめた…っ
唯一護りたくて
夜兎しかいらないオレが
オレまでもが夜兎を苦しめたんだ…っ
《ごめんね…》
夜兎が謝る必要なんて何もないのに
《こんな身体が欲しいならあげるよ》
オレは夜兎に笑っててほしいだけなのにっ
《さよなら……》
助けて欲しいのにそれすらも言葉に出来ない君を……
ただ助けたいだけなのに……っ
「なのに…っ」
オレが夜兎を追い込んだんだ…っ
完成してない居場所を与えて
オレの居場所だと思わせて
夜兎の居場所を無くして
この部屋だって夜兎の為なんだ
この環境も全部…
オレの居場所は夜兎の中だけなのに
「ただいまぁー、あれ?夜兎君帰ってるの?」
ベッドに寝て顔を腕で覆っていれば山岸が帰って来た
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