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真っ直ぐ階段を登ってオレの…夜兎の部屋へと近付きノックしてから迷わず扉は開かれる
いつもなら勝手に開けるなと言いたいところだが
今は正直そんな気すら無かった
「夜兎……月兎君、お帰り。」
ピクリと身体が反応した
ただ横になって無反応なオレを
山岸は迷わず見ただけでオレだと言い当てる
「なんで……」
つい身体を起こして山岸を見ると、穏やかな笑みを向けて近付いてベッドに腰掛けた
「雰囲気かな?」
疑問文かよ
オレに聞くなよ…
そう思ってそっぽを向けばオレの頭に手が乗せられ撫でられる
「なっ!!」
「何か…有ったんでしょ?」
何すんだ。
そんな言葉を遮って山岸は言う
何であんたがそんなに苦しそうなんだよ…
「泣きそうだよ…」
言い当てられて顔を歪めて立ち上がる勢いに任せて山岸を突き飛ばす
山岸は床に転げ落ちても穏やかに
だけど真っ直ぐオレを見ていた
「ウルセェっ!!関係ねぇだろっ!!」
そんな態度にカッとなって気付けば抑えが効かずに罵声を浴びせていた
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