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「オレに何が有ったってオレは夜兎に作られた人格だっ!!オレを理解してくれる奴はいらないっ!!オレが欲しいのは夜兎を理解して何が何でも信じて護ってくれる奴だけだっ!!」
オレじゃない
オレなんか必要ない位優しくて理解して
愛して大切にしてくれる奴だけ
オレじゃないんだ
オレは…
「オレなんかいらないんだっ!!」
「……月兎君…。」
ただ罵声を浴びせて
ただ言いたい事を言って
ただ思った事を言葉にして
オレは山岸に八つ当たりしていた
オレなんか構うな
オレじゃなくて夜兎を見てくれ
ただそう思ってただけ
だから気付かなかったんだ…
「泣かないで…っ」
「っ!!」
オレにも当たり前に怒り以外の感情が有る事も
涙を流す事が出来る事も…
「隠さないで良いから、僕は大人だから苦しみを背負えるよ。」
オレの腕を引いて腕の中に閉じ込めた山岸
そんな優しい抱擁が苛ついて
なのに悔しいけど安心出来た…
「月兎君のも、夜兎君のも…僕は二人の辛さを抱えて歩けるよ。」
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