282人が本棚に入れています
本棚に追加
だからなのかな…
「…オレ……夜兎を傷付けた…っ」
誰かに頼るなんて
誰かに縋るなんて
考えた事なんかなくて
なのに口から零れた悔しさと後悔が溢れ出していた
「オレだけは傷付けるなんてしない筈だったのに…っ」
聞いてくれる山岸に頼ってた
ただ優しく抱く腕に縋ってたんだ
「オレには夜兎だけなのに…夜兎を…っ」
「僕にも協力させてほしいな…僕も夜兎君を…月兎君を護りたい。」
涙を流す苦しみが解らなくて護れる筈がない
誰かに頼る強さが無ければ護れる筈がない
人は一人じゃ…
孤独じゃ生きてなんかいけない
こうゆう事なのかな…
「頼るの嫌いかもしれないけど…その分僕が気付いて支えてあげるから…ね?」
「……やま…ぎし…っ」
誰も頼れない夜兎、なのにオレは頼って良いのか
そう思ったらそんな言葉を言う山岸…
狡いよお前
でもそんなお前に頼るオレはきっと誰よりも狡い
「優し過ぎるんだよ、夜兎君も月兎君も。」
そう言われた瞬間、涙腺が壊れた様に涙は止まらなくなった
もうどうすれば良いかなんて解らないオレは
ただ山岸の腕の中で泣き続けた…
最初のコメントを投稿しよう!