感情

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気付けばオレは猫に囲まれてベッドで寝ていた 山岸は椅子に座りながら寝ていた 時計を見れば夜中の12時 泣き疲れて眠ったんだと理解した 《月兎起キタ?》 顔を向ければクロが尻尾を揺らしながら聞いてきた 「起きたよ。」 頭を撫でれば起き上がっていく猫達 寝てしまった主人に飯が欲しいとねだってもくれないから 起きたオレに猫達は甘えてねだった 《オ腹スイタッ》 《ゴ飯ゴ飯ッ》 群がる猫に苦笑してベッドから下り、下へと向かう 餌を入れて床に下ろせば、今度は餌箱に群がる猫達 それを見て自然と口元は緩んだ 「ありがとう月兎君。」 そんな時、後ろから声がして振り向く 勿論主は此処の宿主 クックの頭を撫でオレを見て笑う 「少しは落ち着いた?」 「………まぁな。」 今までして来た事は間違ってない でも見てきた事で生まれた苛立ちで全てを丸め込まそうとした事は間違っていた 夜兎にとって家族は居場所だった 夜兎は普通に生きたかった 夜兎の全ては帰る場所と友達だ 痛みを感じても辛くても 理解者が居ればそれで良かったんだ オレは…  
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