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その言葉に笑顔を貼り付けて返した
オレにとって何よりも痛いのは問い掛けに応えがない事だ…
夜兎…応えてくれ……っ
「そうですか…今日の動きで何となく解りましたが、その言葉を聞けて安心しました。」
解ってて聞くなとも思ったが、こいつには多分言っても面倒なだけだろう
見ていれば解る
偽物の笑いを見抜けない奴だ
多分見たまんまをそのまま受け入れる
言った言葉を全て受け入れる
典型的な良い奴
あいつ…山岸とは違う
山岸は良い奴の部類だが、人を見る観察力が有る
こいつは素直な良い奴だろう
詐欺に引っかかり易い馬鹿
「じゃあ失礼します。」
一応頭を下げて横をすり抜ける
お疲れ様と声を掛けられたがオレは聞こえないフりをして帰宅した
帰宅すれば懐いて来る猫と山岸
そして西浦も出迎える
猫は兎も角山岸達には眉間に皺を寄せる
「おかえりー!!どうだった?初出勤っ!!」
「失敗とかしなかったか?怪我とか…」
ウゼェ…
すげーウゼェ、何こいつら……
オレは見るからにそう見せる様に顔を歪めたまま靴を脱いで家に上がり部屋へ真っ直ぐ向かった
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