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俺は曲を聞く余裕なんて無かったから知らない
少なからず恥ずかしいと思いながらの言葉は小さくなってしまったが
山岸はしっかり聞こえたらしく今日一番の笑顔を見せて頷いた
「…なんだよ……。」
小さく呟いた西浦の言葉に気付かないままオレは山岸と説明書を見ていた
食欲は無く少量の夕飯を済ませて、山岸の部屋に有るパソコンを使って気に入った曲をプレイヤーに入れていく
部屋に戻りヘッドホンをしながら、西浦のノートを使わず敢えて夜兎の使っているノートに続きを書き込む
これは夜兎に対してに贈った物だ
夜兎の事を考えて夜兎の為に渡した
だからオレは使わない
きっと西浦の贈った物だ…
夜兎は何が何でも大切に使うんだろう……
オレには何もやれないから…
だからオレは夜兎が幸せになれる場所を作るよ
やり方が間違ってるかどうかは解らないけど
だけどこれがオレのやり方だから……
「こんなもんか。」
ボロボロのノートを閉じて鞄に仕舞い、ベッドへと足を運ぼうとした時
オレの視界が揺らいだ
足に力が入らずそのまま床へと身体を叩き付けてしまった
「なん…だ……?」
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