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身体が重い
力が入らない
何故…?
「月兎君?凄い音したけど大丈夫?」
扉の向こうから山岸が声を掛けて来た
「月兎?」
西浦もいんのか…
正直声を出すのも相当な体力を使う程身体は使い物にならなかった
「入るよ?」
痺れを切らした山岸が扉を開けた
床に倒れたオレと目が合うと顔色を変えて慌ててオレを抱える
首に回された腕に伝わる熱に山岸は俺の額に手を当てた
「熱…高いじゃないかっ」
「大丈夫か…?」
あぁ…熱か……
そう解ったら身体は更に重くなる
西浦は部屋から出て下におりて行った
「だから食欲無かったんだ…まだ食べてそんなに時間経ってないから薬飲んで寝て。」
オレは横抱きにされ、すぐ近くに有るベッドへと運び寝かせられる
「山岸さん、これ。」
西浦は息を軽くあげてアイスマクラにタオルを巻いた物を差し出した
「ありがとう、よく解ったね。」
「今日偶々目にしたんで、すみません勝手に。」
寧ろ有り難いよと笑って受け取り、山岸はオレの頭の下に置いてゆっくりと頭を下ろす
これが看病と言うやつか
何だかくすぐってぇなこれ…
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