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「夜兎…?」
「あ、おはよ。」
俺は誠の声に喜びを感じて微笑んだ
まだ俺の名前を呼んでくれる人がいる…
「…うん、おはよう。」
優しく撫でて笑ってくれる人がいる
それだけで生きる意味にならないかな…?
そんな馬鹿な考えを抱きながらも今の幸せを噛みしめた
「あの…腕回して良いかな…?」
足が痛いとは言えない
でも痛みより今凄く甘えたい…
「珍しいな…自分からなんて、構わないけどさ。」
笑って腕を少し出してくれた誠に嬉しくなり
俺は腕を回してぐりぐりと頭をなすりつけた
「ありがとっ」
「変な奴だな…クス」
でも受け入れてくれる誠にそれでも構わないと呟いて
体重を掛けながら通学路を歩く
少ししたらもうすぐ進士が来る
楽しみだまた三人の時間が来るんだ
「あぁっ!!ズルいぞ誠ぉっ!!」
そう盛大に叫びながら進士が走って来る
そんな進士にご機嫌な俺は笑いながらおはようと声を掛けた
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