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絶望した
もう駄目なんだと
俺は力無く掴んでいた進士の服から手を離し後ろへと後退る
二人の顔が見れない
怖い…
拒絶された目を向けられるのが…
「馬鹿だなっ!!お前友達の意味解ってんのかっ!?」
だけど不意に聞こえる
予想とは違う進士の声色
俺はつい頭を上げた
「噂なんか信じねぇよ、夜兎は俺の大切な友達だっ!!夜兎がそんな奴じゃねぇってずっと一緒にいた俺は知ってるっ!!」
笑ってた…明るく
いつもと何も変わらない進士がいた
「お前は優しいから…きっと鳥の声が聞こえるのかもな。」
進士の隣にいた誠も何も変わらない
いつもと同じ笑顔が優しい…
「友達はな?信じる為に有るんだ。辛い時支える為に有る…悲しい時一緒に馬鹿みたいに騒ぐ為にいるんだぞっ」
友達…うん……
上辺だけじゃない友達になりたい…っ
誠が辛い時支えられるぐらい強くなりたいっ
進士が悲しい時側に居ても構わないくらい強く明るくなりたいっ
「夜兎は独りじゃないよ、俺達がいんじゃんっ!!」
ずっと怖がって
離れて行くんだと信じれなかったのは俺だ
二人はこんなにも俺を受け入れてくれてるのに…
「だから信じろよ、お前も俺らを。」
もう怖がらない…
俺の方が上辺だったけど……
もう疑ったりしない
「側にいてやっからさっ!!」
だって二人は
こんなに近くにいるんだもん…
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