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「ったく腹立つ!!」
「落ち着け、また何か言って来たら殴れば良い。」
「だなっ!!」
「…いや…良くないよ…」
俺達は今保健室に居る
俺のズタズタな手を手当てする為
最初は血も止まっていたし
血を洗い流せば平気だと言ったんだけど…
「俺がヤなのっ!!」
「命令な。」
と押し切られ、保健室へと来たのだ
初めて来た場所に落ち着かないが
誠は器用に指先には絆創膏
手の平にはガーゼをし包帯まで付けた
「上手いね…誠。」
つい感心して呟いた言葉にまぁなと答えた誠
「中学の時野球部のマネージャーやってたからな。」
「そうそう!!誠ってば野球部には入りたいけど野球やんのは嫌だとか矛盾言ってさぁ~っ」
「野球は観戦するもんなんだよ。」
昔話を楽しそうに話す二人に笑みを浮かべて見ていた
変わらない…
噂に左右されない人に出逢える日が来るなんて想像すら出来なかったのに
二人は何も変わらない
それが何よりも嬉しかった
悪戯は信頼関係を深められたんだ…
悪戯に負けない強さを俺は身に付けなきゃ
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