信頼

12/14

282人が本棚に入れています
本棚に追加
/295ページ
烏と誠は戯れ 俺はそんな誠を見て笑っていた 鳩ならまだしも烏が懐く様なんてないもんな 嘴を触ったり羽を撫でたり 胡座をかいてる足、肩や頭に乗る烏は楽しそうに鳴いていた 『ヤトの友達人間のクセに優しい。』 『友達優しい。』 「誠だ、ま・こ・と。」 「夜兎?」 近寄って来た烏が友達と連呼する 友達なんて名前じゃないと誠の名前を教える 誠は自分が呼ばれたのに烏と向き合っていた俺に呼び掛けた 「誠の事“友達”って呼ぶからさ、誠は誠って名前だって教えてた。」 だから素直に何をしてたか答えれば誠は吹き出した 「友達か、それでも俺は構わないけどな。」 あ…そうか… 言葉が解るのは俺だけ… 「夜兎の友達だって烏達に認めてもらえたって事だろ?光栄だ。」 「…え…。」 そんな風に考えなかった… いつもこの能力はいらないと思ってばかりだから いつもこの能力に苦しめられて来たから 煩わしい… うざったい… それしかなかったんだ なのに誠は俺の能力で聞こえた声 言葉を喜んで光栄だとまで言った  
/295ページ

最初のコメントを投稿しよう!

282人が本棚に入れています
本棚に追加