信頼

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「夜兎が言葉を聞く事が出来なかったら俺は、こんな風に烏と遊べなかったよ。」 どうして……? 「お前凄いよ。」 凄いのは… 誰より凄いのは…… 「っ!!」 バサバサバサバサっ 「お前急に抱き付くなよ、烏が……夜兎?」 「凄いのは誠だ……っ」 苦しい… 凄い胸が痛い…… 「誠ぉ…っ」 強く強く抱き締めれば抱き締める程胸が痛くて熱い 鼻が痛い 胸が苦しい これは何…? 怖い…でも離れたくない……っ 「…ヒック…誠……っ」 解らない 解らない でも 誠の温もりが欲しい…… 「……お前も疲れたんだな…。」 そう願って伝わってきた背中の温もり 「鳥は羽を休めなきゃ飛べない、お前はずっと必死に飛び続けた。」 息苦しいぐらい強く抱き締められる でも凄く心地いい… 「誰に何を言われても、何をされても休まず飛び続けた。」 俺飛べてなかったよ… 飛ばしてくれたのは誠達だ…… 陸を翼を広げる事を恐れた俺は歩き続けただけ 「夜兎には必要なんだ、宿り木が。」 でももし飛べていたなら… 「俺はお前の宿り木になれたのかもな。」 それは誠達に逢う為…… こうやって強く抱き締めてもらう為 誠と進士はもうずっと前から 俺の心安らぐ宿り木だよ  
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