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崩壊
あれから落ち着くのに俺は2時間も掛かった
初めて流れた涙の止め方なんて知らなかったからだ
赤子の様に背中を撫でてくれた誠が居なければ
俺はまだ泣いていただろう
烏達も心配していて
俺の見たことなかった表情に戸惑っていた
泣き声を上手く出せなかったのを誠は心配していた
申し訳ないと思った
誠の身体から腕を離せなくて
コントロールの知らない感情が溢れ
沢山沢山困らせて…
ごめんと呟いたら
耳元だから聞こえると言われて
《ありがとう…のが嬉しいかな。》
そう言ってくれた
でも少しだけごめんとありがとうの使い方が解らなくなった
そして……
「何処行ってたんだよっ!!」
進士に怒られた
休み時間の合間合間に探してくれていたらしく
かなり心配させていたんだと認識させられた
訳を誠が話せば誠に掴みかかった
「連絡ぐらい入れられなかったのかよっ!!そんなんになってるなら尚更連絡入れろよ馬鹿っ!!!!」
進士が本気だと解って俺は慌てた
俺のせいだ…っ
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