282人が本棚に入れています
本棚に追加
/295ページ
「夜兎?」
進士が名前を呼んだから顔を上げる
進士は笑ってた…
いつもと同じ何も変わらない笑顔があった
俺は少なからず安堵を覚えた
「先教室行っててくんない?誠に話し有るんだよね。」
“俺は居ちゃいけないの?”
って聞きたかった
でも今はそんな事出来なくて…
少しでも出来る事はしたい
此処に居たいのは俺の我が儘なんだから
「…解った。」
だから俺は頷いた
今は誰かと居たいって欲望を閉じ込め
欲深くなってる自分に渇を入れる
人は欲深いから1つ手に入れたら2つ目を
2つ手に入れたら3つ目を……
そんな人になってしまったらきっと二人は居なくなってしまう
そんなの嫌だったから…
教室で待ってると告げて二人に背を向けた
小さな不安を残したまま…
「いきなりどうしたんだ…?」
「うん……あのさ……」
最初のコメントを投稿しよう!