崩壊

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空に向かって騒ぎ立てたところで返事なんて返ってくるわけがない 目から流れる水は止まらない 俺は力無くその場に座り込んだ 壁が冷たい… 高ぶった気持ちを撫でる様な風が冷ます まるで壁が慰めてくれてる様で…… まるでお前は独りじゃないと言い聞かされる様に体温が下がっていく 涙は止まらない 独りの時はどうやって涙を止めるんだろう…? あぁまだ考える力がある まだ…まだ生きてる…… 俺は目を閉じた 目を開けたら夢だったら そんな馬鹿な事を考えて自笑した…… 暖かい陽気は雨しか降らない俺の心に照りつけ 柔らかい風は堅い床を紛らわす様に穏やかに 俺を癒やした 少し眠ろう…… 疲れちゃったからな…… 「おやすみ…夜兎、次目を覚ませばきっと夢だよ…早く…」 早くお眠り…… 独りになんてなっていないから…  
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