崩壊

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俺は目を開けた… 誰と話していたか解らない とても優しかった様な気がする でも話していたかも曖昧で 夢…? 初めて罵られない夢を見たかもしれないのに…… 涙は止まっていた 「……帰らなきゃ…」 もう空は青さを無くし 月の無い真っ暗闇だった こんなに遅くなった事が無い俺は これから起こるで有ろう暴力に不思議と恐怖は無かった 立ち上がり 固まった肉体を軽く伸びをして解す 軽く立ち眩みがしてフェンスに寄りかかった 「誠…フェンスの近くは危ないって言ってたな……」 俺はフェンスに触れ押してみた ギギッと鈍い音が響く 落ちたら痛いのかな…? 痛みなんて無い程簡単に逝けるかな…? 死ねる……? 全部捨てて俺は無かったモノになれるのか…? 「クッ……フッ…ハハハ……っ」 そんな事を考えてから俺は笑いが込み上げた つくづく自分は馬鹿だと思ってしまったからだ 「ハハハハハハハハハっ!!」 全てを捨てる? 捨てるモノが無いのに何を捨てると言うんだろうか  
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