孤独

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孤独

俺は寒さと冷たさに目を覚ました 雨が降っていた 制服は勿論びしょ濡れ どれくらい寝ていたのか解らない程 身体はガチガチと震え 体温は冷えきっていた 「……寒……。」 時計も無い 携帯なんて持たせてもらってないし 此処からじゃ時間は見えない 夜なのは確かだ… 取り敢えず学校から出なきゃ…… そう思い立ち上がり ふらつく足取りで入口へと向かいドアノブへと手を伸ばした ガチャガチャ… 「……あ……」 閉まってる…? ガチャガチャガチャっ どうしよう…閉まってる 家に帰らなきゃ… 家に帰らなきゃ…っ 焦りが俺を支配する ドンドンっ 「誰か…開けてっ」 帰らなきゃ俺殺されるかもしれない きっと生き地獄になるんだ 今帰らなきゃ俺はずっとサンドバックにされ続けるんだ 「誰かっ」 怖い… 死ぬより怖いっ 今俺が生きてるという証は 今俺が存在してるという証は あの家の奴らに暴力を振るわれる事だけなんだ ……きっと……  
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