孤独

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「傷が3つ。」 ピリッと伝う腕の痛み そこから流れる一筋の赤い水 「…鬼畜だなぁ、お前。」 冷たい刃物は俺の皮膚を切り裂いていく 短く深い傷跡 当たり前に結ばれた手足と叫び声を上げない為の口へねじ込まれた布 「兄貴程じゃないよ、気を失ってまでも殴り続けるじゃん。」 この後は兄からの暴行が待ってる 内臓破裂をおこさないのが不思議な程に激しい暴行 今はまだましなんだ… 「傷が4…つっ!!」 ダンッ!! 「………っ!!」 これは…利いた…っ 深々と肩に刺されたナイフが痛みを訴える 正直に言えば痛い… 「ハハハッ顔歪んでんぞこいつっ」 耳元で大笑いを繰り出し ぐりぐりとナイフを動かす 兄も肩を震わせていた 「まぁ朝帰りして困らせた俺達への報いだな。」 クスクスと笑ったまま見下ろす兄の言葉を抱いて 俺は目を閉じた 悪いのは俺だ… 解っているから だから… 早く終わってほしい…… そう願いながら次に来る痛みに耐え続けた  
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