孤独

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気が付けば俺は 物置部屋の自室に転がっていた 身体を見ればボロボロのYシャツ 赤々と染まってしまった床 深々と刺された傷口は塞がってはいたが 少し動いただけで傷口が開いてしまいそうな程だ 上半身を起こすが痛みが全身を貫いた 息をするのが辛いなんて どれぐらいぶりだろうか…? 悲鳴を上げる身体を動かす苦痛は 進士と出逢ってからは無かったのに… そう考えてからふと時間が気になった 時計を見ればもう夜の7時だ どれぐらい気を失ってしまったんだろうと疑問に思うが 取り敢えずこの肩の傷口だけでも手当てしなければ そう思いたち視線をめぐらせば 目当ての箱が目に入る ズルズルとなりながらも何とか近寄り箱を開け 使い物にならないYシャツを脱ぎ捨て薬を振り掛けた 「……っ」 声にならない痛みが伝わるが手を止めたって何も変わらない 俺はひたすら手を動かしていった 切られた腕、所々に広がる青あざはするだけ勿体無いだろう 安くない薬品を少しでも無駄使いしない様にと箱に戻した  
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