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朝食の下拵えをしていたためそんなに時間も掛からず出す
父親には珈琲も忘れない
時計の秒針だけが沈黙を破っていた
弟、母親も共に居間に来るが
父親はそれを見計らう様に家を出て行く
二人にも朝食を出せば
弟は皿ごと俺の顔へと投げた
「サラダ嫌いなんだよ。」
俺は母親に栄養バランスをと言われていた
特に育ち盛りの弟にはと…
それを考えて作ったサラダだった
多分嫌がらせの一つだと理解してはいるが
言う事を聞かなければ俺に平穏がない……
床に散らばってしまった無駄となった野菜に、目の上から赤い血が垂れた
「ははっ!!きったねぇのっ!!」
「すみません…。」
あぁ…申し訳ない……
洗ったら俺が食べるから……
ごめんね…
そう思いながら拾い上げるサラダだったもの
割れた皿を片付け、止まらない血を止めに部屋に向かった
瞼の上は血が大量に出やすい
だから血の量の割にそんなに深い傷じゃなかった
俺は絆創膏だけ貼りまた居間に戻れば
もう誰一人としていなかった
食器を片付けてタッパーに先ほどの野菜を洗ってから詰めた
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