孤独

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今日の昼食はこれで良いかな… そうすれば唯一の金銭が丸々残る… なら包帯でも買おうか… 買える様ならガーゼも足しておこう ここ2日の間で何かと流血が多い気がするし 全て終わらせてから時計を見れば時間は既に6時40分 俺は部屋へと鞄と上着を取りに行って思い出す 鞄が学校に置き去りだと言う事に… 大変だ… 教科書がボロボロになっているかもしれない いや教科書じゃなくて鞄までもが… そう思ったら俺はタッパーを急いで包み 家を飛び出した 買う余裕なんてない 自分の傷を癒す物ぐらいしか買う余裕なんてないんだ 下駄箱を通り過ぎ 教室へと息を切らせて足を進める 扉を開けてみればチラホラといるクラスメイト達がこちらを驚視していた 鞄は昨日のまま机に掛かっている 良かった…鞄だけでも無事だ…… そう安心して鞄を開ければ… 「…うわっ!!」 俺は全身に鳥肌を立たせて 机の存在なんて忘れた様に後ろへと倒れ込んだ クラスメイト達は馬鹿みたいに笑い転げた 期待以上の反応だと言わんばかりに… 中には鼠の死骸に群がる虫達がいた……  
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