孤独

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ゴキブリ、蟻、蜘蛛… 他にかき集めたで有ろう沢山の百足 異臭が鞄にはついているだろう… なんて酷い状態だろうか… 俺は口元を押さえ、吐き気をこらえながら震える手足に渇をいれた 気持ち悪い… 正直な感想だった 目に見えている死骸… 骸となったモノ… だけどそれは紛れもない仏様 姿形は関係なく それは弔われるべき存在 …死者がこの中にいるんだ…… 死者には罪はないんだ…… 痛いと言えない動物 動物は涙の流し方をしらない 小さくてか弱い存在 俺と同じ居ても居なくてもなんとも思われない 俺と同じ、死んでいたら怪訝視され いや…違う 俺は怪訝視なんてされない きっと喜ぶ者しか居はしない でも… 動物は違う… 少なからず悲しむ者がいるだろう 少なからず哀れむ者がいるだろう だからこそ こんな所に居させちゃいけない…… 俺は震える手で鞄を閉じ それを持って来た道を引き返した  
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