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友達
「あらお早う夜兎君。」
俺は橘 夜兎。
夜の兎と書くけどちゃんと男。
部活は金が掛かるからしないし
仕事をしたいけどあいつらが許さない
だから俺は真っ直ぐ帰宅する真面目な奴として近所では有名だ。
毎朝向かい側のおばさんから挨拶をされ
俺はそれに必ず無言で頭を下げる
歩いていれば近場の交差点に誠がいた
「おはよう。」
毎朝此処で待ち合わせをして登校している
ちょっと早く出ても必ず先に居るんだ
だからたまには待ってやりたいとか思ったりしてる
「おはよ、誠。」
でもそれを言うと俺が待ちたいんだって笑うから
ついそれでも良いかなって思ったりもする
「今日は少し早いな。」
「うん、やる事少なかったから。」
もう季節は春
優しい桜の花弁が舞っている
学年も一つ上がりクラスは進士や誠と一緒になった
クラス替えの紙を進士達と見れば同じクラスで
俺達はそれぞれの反応で喜んだ記憶はまだ新しい
二年生は修学旅行もある…
同じ班になればそれだけ一緒にいられる…
まだまだ先の事がこんなに楽しみなのは初めてだ
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