孤独

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それに俺は喜びを感じていた 「お願いがあってさ。」 進士の優しい声 それが俺に向けられている… だけど全部がいつもと同じじゃない… 「俺に…?」 だから少し迷ってしまった… お願いは怖い 誠もお願いを聞いて離れていった… でも… でも聞いてあげたい 掛け替えの無い友人だから 唯一優しさを見せてくれた人だから… 「聞いてくれる?」 だから頷いた… だから俺に出来る精一杯を見せたかった だけど… 「もう関わらないでほしいんだ、勿論近寄らないでね。」 そんな事は無意味で 「じゃあ宜しくね、橘君。」 俺を…   夜兎と呼ぶ人はいなくなった…… 「しん…っ!!」 「あぁ、名前も呼ばないでね?」 そう言って進士は校舎の中へと消えて行った… 進士…… 進士がいなくなったら名前を呼んで良い人すらいないんだよ 最初に名前を呼んでくれたのは君だ… 最初に笑みを向けてくれたのは君だ… 最初に歩み寄ってくれたのは         君なんだ  
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