別格

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だが夜兎がオレに助けを求めた以上 もう悲しみがない場所にしてあげる 「オレは月兎だ、以後お見知り置きをぉ~。」 片手を頭上に上げて腹の前まで弧を描きながら持っていき頭を下げた オレはいつの時代か解らない様な言葉と動作で周りをおちょくる 「クスッ…オレに変わった以上好きにはさせねぇからな、愚民共。」 今まで無抵抗だった優しい夜兎の代わりに その分我慢したオレが返そう オレは強いぜ…? 無くしたくないのは夜兎だけだ だから無くすモノなんてないオレは 誰よりも強い 「そうだ、オレは自分が可愛いからさ…もし何かして来ても全力で抵抗するから、宜しく。」 呆気に取られる屑共に鼻で笑い 捨てた制服を身に纏う 少し異臭のする鞄を広い、俺は振り向いた 「でもテメェらからは逃げない、拳を上げる事しか脳がない単細胞なんかに…逃げたりしたら一生の恥だからな。」 そう言えば目の色を変える愚民 単純だ…本当に単純過ぎて笑えて来る 「明日からだ…」 濡れてる髪を掻き上げ、不敵に笑ってやる 「ゲーム…スタートだ。」 さぁ始めよう 勝敗の決まったゲームを  
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