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進士達には身内の事は知らせていない
きっと二人は何も変わらないだろうけど
でも今だけでも幸せだからそれで良いと思っている
其処まで望まない…
今有る幸せを噛みしめるだけだ…
「今日は体育だな…やるのか?」
体操着は半袖にハーフパンだ
昨日も勿論欠かさず痣を作ってしまっている
体育なんて出来はしない
「ううん、日差しの下に晒せられないんだ…」
醜いから…
そう言えるわけもなく、俺は訳を言わず苦笑した
「まだ言えないか?」
小さく頷く。
言う理由がないから
心配させるだけだと解っているから
言う気はないよ…
今も
これからも
「そんな顔するな、夜兎がそれで良いなら俺は構わない。」
そう言って俺の肩を引き寄せそのままぐりぐりと頭を撫でて来た
俺はクスクスと笑いながらその行為を止めはしなかった
「うん、ありがとう。」
そう言えば誠も俺を見ながら笑った。
「やぁーとぉーっ!!」
突然呼ばれた方を見れば進士が手を振っていた
俺は笑って手を振り返す
幸せな小さな習慣
俺達は笑いながら学校へと向かった。
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