別格

10/25
前へ
/295ページ
次へ
オレは未だにオレの足元にいたクロを抱き上げて笑った 「オレ、あんたのその考え嫌いじゃないよ。」 こんなヤツ居るんだな… そんな事をしみじみ思いながら、少しだけ相手を馬鹿だけじゃないんだと認識した 「ありがと、いつも馬鹿にされるんだけどね。」 クスクスと笑いながら猫達とじゃれる姿が可愛く見えた 「あんたは間違ってないよ、自分の意見に自信持ちな。」 クロを抱いたままソファに深く座り足を組んだ クロはゴロゴロと喉を鳴らしながら目を閉じている 「なんか、君が言うと重みが有るな…僕も君みたいに一言一言が重ければなぁ。」 重み……ね。 簡単に言ってくれる 「そんなに言葉の重みが欲しいか…?」 重みが有るって事はそれなりの事をしてきた それなりの日々を過ごしてきたって事だ そんな事も解らないままオレの様にだって? 「ならオレと…俺と代わるか?」 そしてその言葉を後悔すればいい…っ 「……どうしてそんなに怒ってるの?」 オレの身体はピシリと固まった 図星を突かれたからだ ヘラヘラしてるからって油断しちゃいけなかった  
/295ページ

最初のコメントを投稿しよう!

282人が本棚に入れています
本棚に追加