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オレは未だにオレの足元にいたクロを抱き上げて笑った
「オレ、あんたのその考え嫌いじゃないよ。」
こんなヤツ居るんだな…
そんな事をしみじみ思いながら、少しだけ相手を馬鹿だけじゃないんだと認識した
「ありがと、いつも馬鹿にされるんだけどね。」
クスクスと笑いながら猫達とじゃれる姿が可愛く見えた
「あんたは間違ってないよ、自分の意見に自信持ちな。」
クロを抱いたままソファに深く座り足を組んだ
クロはゴロゴロと喉を鳴らしながら目を閉じている
「なんか、君が言うと重みが有るな…僕も君みたいに一言一言が重ければなぁ。」
重み……ね。
簡単に言ってくれる
「そんなに言葉の重みが欲しいか…?」
重みが有るって事はそれなりの事をしてきた
それなりの日々を過ごしてきたって事だ
そんな事も解らないままオレの様にだって?
「ならオレと…俺と代わるか?」
そしてその言葉を後悔すればいい…っ
「……どうしてそんなに怒ってるの?」
オレの身体はピシリと固まった
図星を突かれたからだ
ヘラヘラしてるからって油断しちゃいけなかった
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