別格

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「捨てられた子猫に見えたから。」 「……………は?」 捨てられた子猫? このオレが捨てられた子猫? 「僕猫って大好きでね?何か凄くほっとけない気持ちになっちゃって、気付いたら話しかけてたんだよね。」 クスクスと笑う姿にオレは開いた口が塞がらない状態だった 「何言ってんの?馬鹿なの?ってか…病院行けよ、そんな理由で人拾ってんな。」 本気で呆れた答えにオレは肩の力が抜けた こいつは警戒するだけ無駄なんだろう 「でも月兎君は助かってるんだろ?なら良いじゃん。」 こんなにお気楽な人参嫌い そしてこんなに馬鹿で頭の良いお人好しはいないだろう 夜兎の幸せもこいつの一部でも有れば オレは産まれる事も無かったのかもしれないな… 「そんな顔しないで?」 ふとかけられた言葉に意識を戻せば オレの顔を覗き込んでいる山岸がいた 「どんな顔だよ、オレはオレだ。」 「何を背負ってるか解らないけど…でも…」       辛いなら泣いて  
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