別格

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玄関の扉を開ければ静かな家 人の気配が有るから誰か居るのは確かだ まぁいい、取り敢えず早く荷物まとめよう と玄関から自室とされている物置へと足を運ぶ 学校に使っている肩下げに制服と靴 薬品を箱ごとは無理で中身だけをバラバラと入れる 「…何してんの?」 急にした声に肩を震わせる 振り向けば夜兎の兄貴が扉に寄りかかりながら此方を見ていた 「何って、荷造り。」 鞄を閉じて立ち上がる あいつはいつもと態度の違う弟に眉を寄せた 「……お前誰だ、夜兎と雰囲気から何から違うんだけど。」 睨み付ける顔 虐待とは違う完璧なる敵意 心地いいと感じるのは…    オレがあんたを憎んでいるから 「誰だろうと関係ないじゃん、それとも愛する弟が反抗期になったのは気に食わない?」 クスクスと笑ってやれば見開かれる瞳 こいつも夜兎の兄貴ながら見目は悪くない 男を手玉に取れる理由も解る 「知ってるぜ、お前はオレが好きなんだって…」 でもオレの夜兎はやれない…諦めな 「オレに犯されたいか?淫乱。」  
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