変化

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変化

「月兎君おかえりー」 イヤに上機嫌な山岸に自然と眉間に皺が寄った さっきの事を少なからず引きずっていたオレ ずっと無意識に我慢していた夜兎とのギャップで オレの暴言や暴力はかなり効果が有ったと見える つまり夜兎が反抗しないのを良いことにやりたい放題だったって事 少しでもグレていれば問題無かった 寧ろ怖がって手なんか出して来なかった筈だ 優し過ぎだったんだ 全てに対して諦め過ぎていたんだ 変えようと思えば変えられたんだ…夜兎 優し過ぎたから鳥達も集まった 優し過ぎたから孤立した 優し過ぎたから……       オレが産まれた 現に今のオレには鳥達は集まらない 別人だと解ってるから オレの纏う空気が違うから 優しいのは悪くない 寧ろ良いことだと思う だけどそれが仇になっちゃ駄目なんだ オレはどんな夜兎だって愛せる オレはどんな夜兎だって独りにしないから だから抗えば良かったんだ…  
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