嫌な予感

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「いつもと同じように、鏡助クンはボクの手伝いを頼むよ」  爽やかにモナさんは俺の肩に手を置き、真っ白な歯をのぞかせる。  うっ! 気持ち悪い。  今すぐにでも振り払いたい気持ちでいっぱいだったが、何とか踏みとどまった。俺の命のためにも。  とりあえず、俺はいつもと同じように、命がけでお仕事がんばらなくちゃいけないってことだ。  儀式屋にはロクな依頼がこない。名前の通り儀式に関係することなのだが、どれもこれも国家問題に発展しそうな儀式ばかり依頼がくる。  だからこそと言うべきか、報酬はいい。  俺の給料は全報酬の一割。それでもたいそうな金額だ。  ま、金銭的理由でこんな恐ろしいところで働いているわけではないが……追々話すとしよう。  残りの九割を持って行くモナさんだが、毎日喪服でボロい事務所。更に安物のコーヒーを好んで飲む。  一体何に金をかけているんだか。 「それじゃ、深夜零時にここに集合ね。それまで自宅待機だよ。ホラ、帰った帰った」  モナさんは壁に掛けてある異常に目玉の大きい鳩の時計を確認すると、押し出すように俺を外に追いやった。  儀式の準備でもするのか。説明してくれれば普通に出て行くんだけどな。
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