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それは折れた木々を手に持ち、更に枝を頭に挿して小さくなっていた。…隠れているつもりなのか?不審に思いつつも、これが相手の罠という可能性もある。
なに、ちょっと試すだけさ。軽い気持ちでリヴォルバーをそっと腰から抜き、そのまま相手の傍へと銃口を向ける。そして引き金を引く。
パンとまた軽い音が響く。銃弾は僅かにそいつを避けて地面に放たれた。しかしそれだけで十分だった。そいつは大袈裟に肩を震わせて恐る恐るといった風に俺を見た。
「あっあっ…!」
恐怖に怯え瞳に涙さえ浮かべていた。武器が見えない事からまともな物を貰えなかったのだろうと思えた。
ガチャリと重い音を立てながら銃口を今度は相手の額辺りに向ける。そいつはガチガチと俺にまで聞こえる程歯を鳴らして銃口を凝視していた。
反抗する様子が無い事からそいつもまた、先程までの俺と同じようなのだろう。リヴォルバーを降ろし俺はようやくそいつへと話しかけた。
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