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「そうか、ハドリアヌスか。」
「はい。…あの、貴方のお名前を伺っても…?」
おどおどとした様子で俺へと問いかけた事により、俺は名乗っていなかったのを気付いた。少しバツの悪そうに俺は名を名乗ればハドリアヌスは何を思ったのかこんな事を言い出した。
「あの、主と呼んでも構わないでしょうか…?」
「は?」
「いえ、その私は此処に来るまでとある方に仕えていた身なのです。それで名前で呼ぶ事に戸惑いがあるのです…。」
「…別に、好きにすればいい。」
だがふと気付く。主?まるでこれからも一緒にいるような呼び方じゃないか。不審がりながら再度俺は口を開く。
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