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俺は思わず持っていたあのリヴォルバーを男に向けて引き金を引いていた。それは男の胸に当たり、真紅の花を咲かせた。そのまま男は重力に従い、地面に倒れた。
「お、おい!お前…死んだの、か…?」
余りにも呆気なく倒れる姿に俺は一種の恐怖を覚えた。返答や動きが無い事から男は確かに死んだのだ、俺が殺したのだ。
人間はこうも簡単に殺せるのか、そして死ぬのか。どこかで俺はそんな簡単にくたばらないと思っていた。信じていた。
だがあの男は死んだ。俺が引き金を引いただけで。途端、身体が震え出した。握っていたリヴォルバーを手から落としてしまう。それを慌てて拾えば、俺は自分が武器を無くす事を恐れたのだと分かった。
「…はは。なんだ、俺。やっぱり死にたくは無いんだ…」
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