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しかしいくら歩き回っても出口は見つからなかった。森が何処までも続いているようにさえ思えてくる。荒くなった息を整え、思考を冷静にする。何かヒントは無いかとズタ袋を開けばそこで思い出す。
「地図があるじゃないか…それにコンパスも。馬鹿みたいだ。」
最初に確認したのに、色んな事が一気にあったせいか忘れていた。自嘲気味に笑みを浮かべれば地図を開き現在地を確認する。
地図はこの森の物だった。もしも俺が別のエリアにいたらどうなっていた事か。思わず息を呑んでしまう。頭を振り余計な事を払えば今いる位置を確認する。
現在地から東に進めば出口という名の別のエリアに繋がる扉があるらしい。地図をズタ袋の中にしまい込めば、コンパスを片手に再び歩き出す。
それから直ぐの事だった。前方斜め右辺りに可笑しな奴がいた。
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