第一章

7/9
前へ
/60ページ
次へ
―1ヶ月後― 「えっと…付き合って欲しいんだけど……////」 悠也が、顔を赤くしながら言ってきた。 夢かと思った。 その場で、重いっきり頬をつねった。 痛い。 夢じゃない。 私はその瞬間、目頭に熱い物が込み上げて来たのを感じた。 “涙” 最近は、全く流す事が無かった涙。 この時は、ボロボロと零れ落ちた。 「え!?愛美!?強く引っ張ったから痛いの!?大丈夫!?」 この時は、もう“悠也”“愛美”と呼ぶようになっていた。 「悠也…涙は、痛かったり、悲しかったりして流すだけじゃないんだよ。嬉しくて、流す涙もあるんだよ?」 また溢れる涙。 止まる事を知らないかのように、次々に涙腺から零れ落ちる。 ギュッ 悠也に抱きしめられて、その日は悠也の胸の中で泣いた。 ――――――――― ――――――  
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

342人が本棚に入れています
本棚に追加