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体育館裏にある、ゴミ捨て場へクラスで使っているポリ製青いゴミ箱の中身を捨てに行く。
それは、普通の事だと思う。
教室の掃除を終えた美崎 由果(ミサキ ユカ)が、エイエイ運んでいてもおかしくはない。
そして。
「さよならだよ、スグル君」
「千香(チカ)ちゃんっ…そんなっ…オレ、何かした!?ダメって、もう付き合えないって、そんなウソ…」
「ウソじゃないよ」
「じゃあ、ホントだっての!?」
「さっきからそう言ってるでしょ?ホント。…ワタシには、スグル君と付き合う資格がもうないの。だって、ワタシ…スグル君より好きな人が出来ちゃったんだもんっ…!」
「そんなっ…。そんなに5組の佐藤(サトウ)君が…っ!?」
「ごめんね!スグル君!」
「千香ちゃぁああーーーーんっ!!!」
同じクラスの中島 英(ナカジマ スグル)は、走り去る6組の美少女と名高い金田 千香(カナダ チカ)ちゃんへ、右手を伸ばして叫んでいた。
金田千香ちゃんは、美少女らしく目頭を押さえて泣き姿も逃げ姿も美しく去って行った。
(いや、金田千香…あんたが振ったんじゃねぇの?なんであんたが泣いてんの?)
と、そのあまりにも傷付き儚げに去っていく千香の後ろ姿に、冷静に由果は心ツッコミを入れていた。
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