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豪華客船が完全に沈んだ。
そんなことはお構いなしに進む海賊船。
この海賊船は[ケース島]に向かっている。でもそれは死へ向かうのと同じだ。
俺は絶望した。
船が出航するとき残された人達を笑った自分はもういない。
ーあの時、乗らなければ
俺の頭にその言葉がなんどもよぎった。
頭が痛い。
[ケース島]にどれくらいかかるかさえ分からない。本当にあるかさえ…
俺はダニエルズを連れて寝室へ行った。
ベッドが4台あったのでダニエルズを隣のベッドに寝かせ、俺も寝転んだ。
ーさあ どうする
ダニエルズの小さないびきが聞こえてくる。
これからのことを考えている内に俺は眠りにいざなわれ、夢の中への扉をあけた。
意識が遠のく中で最後に不思議なものをみた。
海賊船の船体を外から眺めている感覚、海賊船には赤いウロコがついている。いや赤いウロコじゃない、それは…血がびっしりついた人間の爪だ。
俺は怖くなって起きようとしたが、目の前が真っ暗になった。
眠ってしまった…
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