ー 恐怖 ー

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俺は飛び起きた。 眠ってしまった。 ダニエルズはまだ眠っている。 ーどれくらい寝たんだろう。 時間さえわからない。 俺はなんだか無性に外の風に当たりたくなったので寝室から出て階段を上がり外にでた。 そこには11人が座り込んだままボーとしていた。 ーみんな不安なんだろう 空が夕日の光で不気味に輝いている。 ーもうすぐ夜か 腹が減ってきた俺は大きな深呼吸をして、再び船内に入った。 空腹には慣れているが取りあえず食糧を探す事にした。 ー[ケース島]でも役立つかもしれない 厨房らしき部屋の扉を開けた。 砕け散った椅子やテーブルが散乱している。 棚の扉を開けるとホコリが俺を包んだ。 俺はホコリを払いのけ、棚の中を探った。 奥の方に缶詰めがいくつかあった。 缶詰めの中身は豆のようだ。俺は豆はあまり好かないが取りあえず持っていくことにした。 缶詰めは20缶ほどあったため近くに落ちていた布袋の中に全部入れた。 不意に真っ黒なりんごが目の前にあることに気づいた。 ーなんだ これ 突然、頭に妙な光景がよぎる。 ー少女が立っている。少女に腕は無い。肩からしたたる血。少女は笑った。少女の口の中が見えた。眼球がある。 ー光景が消えた 俺は額に汗をかいていた。 ーこわい 俺の頭の中で声がする。 ー黒 りんご 黒 りんご 黒 りんご 黒 りんご はっとして俺は真っ黒なりんごを探した。 ーな…い? 真っ黒なりんごはなくなっている。 背筋に冷気を感じた。 俺はダニエルズのいる寝室に力のかぎり走った。 寝室に向かう途中、ふと思い出した。 厨房を出る時に声が聞こえた ーひとは かわる し に よって かわる だから あなたも こっち へ くるの 寝室の扉を開けた俺はそのまま気を失った。 ーこ わ い
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