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そんな関係が続いた15歳の春。
変化は突然訪れた。
「・・・彼氏がね、できたの」
伏し目がちに、小さく呟いた比奈は嘘をついているようには見えなくて。
正直言って、衝撃を受けた。
「・・・・・・誰?」
「え?あ・・・・・・それは・・・」
言えないのは、俺が怖いから?
なぁ、比奈。
怖かったのは俺の方。
当たり前だったお前の隣に、俺以外の男が立つんだって思ったら、急に怖くなった。
――――俺を・・・片桐 蓮という人間を見てくれる人間がいなくなるんじゃないかって。
ガラにもなく、怖くなったんだ。
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