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聖也「………あ」
学校から寮への帰り道
偶然、見つけてしまった
道端で頭から血を流して泣き叫ぶ子供と、ヘコんだガードレールに添えられた真新しい花束
(またか…)
出来るだけ何事もなかった様に、気付かないふりをして通り過ぎる
“アレ”にはこちらが気付いていると、知られてはいけない
関わるとろくな事がない
それに、しばらくするといつの間にか居なくなっているのだ
(最近、多いよな…)
そんなことを考えながら、子供の横を通り過ぎ、寮への道を急ぐ
遠くなっていく子供の泣き声を聞きながら、ふと、見上げた空は燃える様な夕焼け色だった
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